パートナーシップ催眠

催眠術でリラックスすると心と身体はどう変化する?科学的に解説

リラックスしている時の心と心と身体の状態とは

※本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としています。医療上の助言として使用することはできません。具体的な健康問題については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

催眠術をかけられるとリラックスして意識が変わります。経験したことがある方はイメージが湧くのではないでしょうか。

実際には 脳や身体にどんな変化が起こっているのでしょうか?

催眠術って「なんだか怪しい…」と思う人もいるかもしれませんが、催眠は科学的に研究されている現象であり、リラックス状態に入ることで脳の働きや身体の反応が変化する ことが分かっています。

今回は、催眠によるリラックスが心や身体にどのような影響を与えるのかを、科学的な視点でわかりやすく解説します。

【リラックスすると身体と心に起こることの一例】

【身体の状態の変化】

1、筋肉が緩む
2、呼吸が深くゆっくりになる
3、副交感神経が優位になる
4、血圧が低下する
5、血流が改善する
6、消化機能が向上する

【心の状態の変化】

1、穏やかで落ち着く
2、前向きな気持ちになる
3、集中力が向上する

催眠状態を科学的に解説

催眠状態とは、意識が深くリラックスし、「集中力が高まりながらも、周囲の刺激に対して反応が変わる状態」 のことを指します。

催眠中の脳は、覚醒と睡眠の中間にある「変性意識状態」 に入り、次のような特徴が見られます。

(1) 注意の焦点が狭まる

通常の状態では、私たちの意識は周囲のさまざまな刺激に反応します。しかし、催眠状態では 「特定の情報や暗示にだけ強く集中する」 という特徴があります。

例えば、「腕が軽くなる」と暗示を与えられると、実際に腕が浮いてくるように感じることがあります。これは、脳がその暗示を現実のものとして処理するからです。

(2) 自律神経が変化する

催眠状態では、副交感神経が優位になり、次のようなリラックス反応が起こります。
• 心拍数がゆっくりになる
• 血圧が下がる
• 筋肉の緊張がほぐれる
• 呼吸が深くなる

これは、瞑想や深いリラックス状態とよく似た生理的変化です。

(3) 扁桃体(へんとうたい)の活動が低下する

脳内の「扁桃体」は、不安や恐怖を感じると活性化する部位ですが、催眠状態に入るとその活動が低下します。

これにより、普段なら怖いと感じることでも、催眠下では平気になる ことがあります。例えば、高所恐怖症の人が催眠状態で「この場所は安全だ」と暗示を受けると、実際に恐怖が和らぐことがあるのです。

催眠中の脳の変化

近年の脳科学研究では、催眠中の脳の働きをfMRI(機能的磁気共鳴画像)やEEG(脳波計)を使って分析しています。

(1) 前頭前野の活動が変化する

催眠中は、論理的な思考を司る「背外側前頭前野(DLPFC)」の活動が低下し、代わりに想像やイメージを処理する領域が活性化します。

そのため、催眠下では現実と想像の境界があいまいになりやすくなる のです。

(2) デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の変化

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは、何もしていないときに働く脳のネットワークのこと。催眠状態では、このDMNの活動が変化し、「自己意識」が弱まる ことが報告されています。

これは、催眠中に「自分の感覚が変わった」と感じる原因の一つと考えられています。

催眠術の効果がよく分かる興味深いエピソードの一つに、「催眠麻酔」があります。

実際に、催眠だけで手術を受けた患者 の例があります。

1990年代、イギリスのロンドン大学の研究チームは、催眠を使った無痛手術の研究を行いました。

被験者の男性は、催眠誘導によって「痛みを感じない状態」に誘導され、そのまま局所麻酔なしで歯科手術を受けました。驚くことに、手術中もリラックスした状態を保ち、痛みを感じることはなかったのです。

これは、催眠によって脳が「痛みを無視するモード」に切り替わったためと考えられています。痛みは完全になくなるわけではありませんが、脳が「痛み」として認識しない状態を作れる のです。

このように、催眠は脳の認識を変えることで、体の感覚を大きく変化させる 力を持っているのです。

催眠術でリラックスするとどんなメリットがある?

催眠術を活用してリラックスすると、次のようなメリットが期待できます。

(1) ストレスの軽減

催眠によって副交感神経が優位になり、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が抑えられます。その結果、心が落ち着き、ストレスが軽減されます。

(2) 睡眠の質が向上

催眠によるリラクゼーションは、深い睡眠を促します。特に不眠症の改善 に効果的で、催眠療法を取り入れた人の多くが「ぐっすり眠れるようになった」と報告しています。

(3) 痛みのコントロール

催眠は、痛みの軽減にも役立ちます。先述の催眠麻酔の例のように、脳が痛みを認識しない状態にする ことができるため、慢性的な痛みの緩和に使われることもあります。

催眠術は日常では得られない深いリラックスができる

催眠によってリラックスすると、脳や身体に次のような変化が起こります。

• 扁桃体の活動が低下し、不安やストレスが軽減する
• 前頭前野の活動が変化し、暗示を受け入れやすくなる
• デフォルト・モード・ネットワークが変化し、「自己意識」が変わる
• 副交感神経が優位になり、心拍数や血圧が安定する
• 痛みの感じ方が変わり、催眠麻酔が可能になることも

催眠を活用することで、より深くリラックスし、ストレスを減らすことができます。特に、現代のストレス社会では、催眠を取り入れることで心と身体のバランスを整える手助けになる かもしれません。

催眠術は科学です。心と身体にポジティブな影響を与える有効な手段なのです。

参考 厚生労働省eJM|催眠療法

【この記事を書いた人】
秋本真希 催眠術、パートナーシップ催眠の実践は勉強中。講座スタッフ。
監修 つるつる パートナーシップ催眠 講師