セックスについての話し合いはなんとなく気恥ずかしく、やってはいけないような感覚があります。
また、パートナーや親しい友達とも性の話をしない(できない)人も多いです。全く知らない他人との方が性の話をしやすいこともあります。筆者は元々このタイプです。
近年インターネットやソーシャルメディアが普及してから、少しずつ日本社会全体でも性に関する話題に対する意識が変わりつつあります。
そもそも何故日本では性(セックス)についての率直な会話がされにくいのでしょうか。
前提として公共の場での過度に卑猥な会話はNG
日本では公共の場での不適切な卑猥な言動に対していくつかの法律や条例があります。
セックスについての会話はとても大切だと考える立場ですが、会話をする場所選び、言葉選びなど周囲の人への配慮は大切だと考えています。
(参考)
・刑法第175条(わいせつ物頒布等の罪)
この法律は、わいせつな文書、図画、映像などの頒布や公然と陳列する行為を禁じています。
・ 軽犯罪法第1条(軽犯罪の処罰)
公共の場での風紀を乱す行為に対して罰則を定めています。
・迷惑防止条例
各都道府県には迷惑防止条例があり、公共の場での卑猥な言動や性的な行為を禁じています。
これらの法律や条例は、公共の秩序や風紀を守るために制定されており、違反すると罰金や懲役などの刑罰が科されることがあります。
日本でセックスについての会話がやり辛いのは国民性にある?
日本で性(セックス)に関する話題がパートナー間でも友人とも率直に語られることが少ない背景には、日本の文化的、社会的な要因が深く関わっているようです。
1、文化的にタブーなところがある
日本社会では、性に関する話題は歴史的にタブー視される傾向が強いです。
これは、日本の「恥の文化」とも関連しています。
日本人は、他人に迷惑をかけないように行動し、自分の感情や意見を控えめにすることを重んじる傾向があります。
性に関する話題は非常に個人的なものであり、他人に対して話すことは恥ずかしいと感じられることが多いのです。
2、プライバシーを尊重している
日本人はプライバシーを非常に重視します。個人的な問題や感情、特に性に関する話題は非常にプライベートなものと考えられています。
性に関する話題を話すことは、他人のプライバシーを侵害する行為と見なされることがよくあります。日本では、個々のプライバシーを守ることが社会的に重要視されているため、性に関する話題が話されることは少ないのです。
3、性教育の問題
日本の性教育は義務教育の中で行われるものの、その内容は比較的控えめです。
性に関する情報は基本的な生理学的知識や予防策に焦点を当てており、性に関するオープンなディスカッションを奨励するものではありません。
また、メディアや社会全体が性的な話題に対して保守的な立場を取ることが多く、性に関する話題が公の場で取り上げられることは少ないです。
性教育の場でも具体的な話題に踏み込むことは控えられがちで、性に関する話題を自然に話す機会が限られているのが現状です。
4、メディアの影響
日本のメディアも、性に関する話題を取り上げる際には慎重な態度を取ります。
テレビや新聞、雑誌などの主流メディアは、性に関する話題をセンセーショナルに扱うことを避け、視聴者や読者に不快感を与えないよう配慮しています。
このため、性に関する話題がメディアで広く取り上げられることは少なく、結果として社会全体で性に関するオープンなディスカッションが行われにくくなっています。
海外では性はどう扱われているか
性について前向きにディスカッションが行われている国の一例をあげてみます。
1、アメリカ
アメリカでは、性に関する話題は比較的オープンに話されます。アメリカのドラマや映画でその様子を見る機会もあると思います。
性教育は多くの州で学校のカリキュラムに含まれており、避妊や性病予防についても詳細に教えられます。メディアやエンターテイメントにおいても、性に関するテーマが頻繁に取り上げられ、セックスに関するディスカッションが一般的です。
2、イギリス
イギリスでも性教育が広く行われており、性に関する話題がオープンに話されます。学校では、健康教育の一環として性教育が実施され、若者に対して避妊や性病予防の知識が提供されます。
また、メディアやポップカルチャーにおいても、性に関する話題が取り上げられることが多いです。
【参考 テレビ番組 Naked Attraction(ネイキッド・アトラクション)】
テレビ番組の参加者が、6人の全裸を見てパートナーを選ぶという日本では考えられないショッキングな内容のイギリスの番組。2016年からChannel 4で放映。
視聴者に対して性や体についての固定観念を問い直す機会を提供することになった物議を醸した。
【番組内容】
参加者が全裸の状態で登場し、局部も含め外見だけでパートナーを選ぶ。
6人の全裸のパートナー候補者を見て、体の部分ごとに徐々に彼らの体が公開されていく。最初は脚や足から始まり、最終的に顔が公開される。
参加者は外見だけで候補者を一人ずつ脱落させ、最終的に1人のパートナーを選ぶ。
最後に選ばれたパートナーと参加者は服を着てデートに行き、その後の関係を築くかどうかを決める。
3、スウェーデン
スウェーデンは性教育が非常に進んでいる国の一つです。学校では、幼少期から性に関する教育が始まり、オープンなディスカッションが奨励されます。
性教育は、性に関する健康や権利、ジェンダー平等についても取り上げる包括的なものとなっています。
6、ブラジル
ブラジルでは、性に関する話題は比較的オープンに話されます。学校での性教育が充実しており、避妊や性病予防についての知識が提供されています。
また、カーニバルなどの文化行事においても、性に関する表現が多く見られます。メディアやエンターテイメントでも、性に関する話題が積極的に取り上げられることが多いです。
7、南アフリカ
南アフリカでは、性教育が重要視されています。特にHIV、AIDSの流行を背景に、避妊や性病予防についての教育が充実しています。
政府やNGOも性教育を推進しており、性に関するオープンなディスカッションが奨励されています。
世界的に性に関する会話は活発に
海外では性に関する話題が日本と比較してオープンに話される傾向がありますが、当然ながら国や地域、文化によって性の扱いは異なります。
また、欧米諸国では性教育が充実しており、性に関するオープンなディスカッションが一般的です。
一方で、中国や韓国などのアジアやアフリカの一部の国々では、依然として性に関する話題がタブー視される傾向にあります。
しかし、インターネットの普及やグローバル化の進展により、性に関するオープンなディスカッションが広がりつつあるのは世界的な傾向と言えます。
性について話せるかは幸福度に関わる
日本でもインターネットやソーシャルメディアの普及により、若い世代を中心に性に関する話題をオープンに話す場が増えてきています。
匿名性の高いSNSなどのオンラインでは、性に関する悩みや疑問を共有しやすくなっており、若い世代の間で性に関するオープンな会話が行われることが増えています。
これにより、少しずつではありますが、日本社会全体でも性に関する話題に対する意識が変わりつつあります。
日本でも性教育のあり方は今後変わってくものと思います。少しずつ性に関する話題がオープンに話されるようになる兆しも見え始めています。
カップルでセックスについて話し合う際の注意点・具体的な会話の例
堂々とセックスについて話せるバーへ行くのも有り
セックスについての悩みを話したいけど、話せる相手がいない場合はバーへ行くことも一つの手です。
筆者もバーでパートナーとの性生活のすれ違いについて話して、男女から様々な意見をもらって気が楽になったこともあります。
プライバシーが守られている安全なお店がいくつもありますので調べて行ってみると良いかもしれません。
( 文:真希 )