テレビで放送される催眠術について「嘘っぽい」と感じる人は多いかもしれません。筆者も催眠術を知る前は嘘じゃないかと思っていました。
実際はテレビで見られる催眠術はほとんどが本当に催眠術にかかっていると思います。実際に現場を見たわけではないので断言はできませんが、近年の日本のテレビに出演している催眠家(催眠術師)は実績のある方達です。
では、なぜテレビの催眠術が嘘っぽく見えるのでしょうか?
テレビの催眠術が嘘っぽく見える理由
テレビ番組で催眠術が行われる場合は、エンターテインメントとして視聴者の興味をひけるかどうかが重要です。
視聴者の興味を引くために、インパクトのある演出が施されることが一般的です。例えば、ステージ催眠術では、被験者が突然 無意識のように振る舞い、奇抜な行動をとる場面がよく見られます。
このようなシーンは視覚的に面白く、驚きを与えるために作り上げられた部分があるため、リアルな催眠術とは少し異なる印象を与えることがあります。
実際の催眠術は地味で穏やかなものであり、テレビで描かれるような劇的な瞬間は多くは見られません。
例えば催眠療法では、被験者が深くリラックスし、心の内側にある問題に向き合うための手助けをしますが、突然 変な行動を取るようなことはありません。
そこに至るまでの段階があります。
テレビの催眠術は、あくまでショーとしてのエンターテインメントであり、視覚的におもしろいかどうかが重要です。その点で「嘘っぽい」と感じる人も多くいるのです。
(そして催眠術はよく誤解されています。)
テレビの催眠術は催眠の段階が省略されすぎ!
テレビで見られる催眠術は全てが本当だと思いたいのですが、必ずしもそうだとは言えないかもしれません。
催眠術自体は実在する技術であり、適切に訓練された催眠術師が行うことで、本当に被験者の意識状態に変化をもたらすことが可能です。
しかし、テレビ番組の性質上、演出が入ります。
例えば、被験者が最初から協力的であることが前提になっていたり、ある程度演出に応じて行動している可能性もあります。
催眠術にかかりにくい人は省かれているかもしれませんし、リラックスするまでの段階が放映されていない場合もあります。
また、テレビ番組では短時間で劇的な効果を見せる必要があります。被験者の反応が誇張されている場合があります。
実際の催眠術は一度に劇的な変化が見られることは少なく(条件によってはできる場合もあります)、徐々にリラクゼーションを深めていく過程が重要です。
リラクゼーションを深める段階はとても地味ですので、テレビで放映してもおもしろくないはずです。その部分が省かれていても仕方ないことだと思います。
テレビ的に面白いところしか放映されていないところが、テレビの催眠術が「嘘っぽい」と感じられる一因と言えるでしょう。
催眠術の本質とテレビの演出の違い
催眠術の本質は被験者のリラックスを促し、潜在意識にアクセスして問題を解決する手助けをすることです。
心理的な効果を引き出すために使われる技術であり、実際の施術は非常に落ち着いた環境で行われます。
治療や自己改善のために使用される場合、催眠術はあくまでクライアントのペースで進行します。
一方、テレビでは視聴者の関心を引くために、被験者があたかも完全に操られているかのように見せることが重視されます。
そのため実際の催眠術とは異なる印象を受けることが多いのです。
さいごに
テレビで見る催眠術が嘘っぽく見えるのは、エンターテインメントとしての演出が大きく影響しているからです。
実際の催眠術はもっと静かでリラクゼーションに重きを置いたプロセスであり、テレビ番組のように劇的な効果がすぐに現れるわけではありません。
テレビは視聴者の期待に応えるために、ショー的な演出が加わっていることを理解しておくと、見え方が違ってくるでしょう。
( 文:真希 )